2012年11月10日土曜日

長寿効果の高い「旬」の素材

 「旬」という言葉がある。旬は10日間のことで、その前に"走り"の10日間があり、旬のあとに"名残"の10日間がある。つまり、自然界で摂れた食べ 物は、味と栄養がもっとも充実した「旬」を中心に、その前後を合わせて合計30日間は、生命力のこもったみずみずしい味を楽しむことができるのである。旬 の素材は、人工的に作られた素材と比べると、ビタミンCや酵素の量に格段の違いがある。旬の食材は値段も安く、長寿効果も高い。旬を堪能する賢い知識を身 につけよう。

甘酒で子どもの腸を丈夫にする

今は少なくなったが、昔は良く甘酒を飲んだ。ひな祭りなどに振舞われる甘酒は、麹酸や乳酸菌がたっぷり含まれていて、子どもたちの腸を丈夫にする上で、大 変効果的だったのである。江戸時代、江戸のような大きな町には夏にも甘酒売りがきたという。食中毒の多い夏だからこそ、生菌効果の高い甘酒は必要であっ た。食中毒予防には「菌をもって菌を制した」のである。甘酒は「一夜酒」とも呼ばれ、一晩で発酵を完了し甘くなる。美容効果や老化防止策があり、若い女性 やお年寄りも好んで飲んだという。

豆腐にカツオ節

豆腐の薬味におすすめなのはカツオ節。味の相性がよいだけでなく、頭の働きを向上させる上でも役に立つ食べ方に変化するからである。大豆はタンパク質が多 く、まさに「畑の肉」である。しかし、少々残念なことに、メチオニンという必須アミノ酸が少ない。そのため、タンパク質の栄養を示すプロテイン・スコアが 肉や魚より劣る。しかし、メチオニンを含む食品と一緒に食べると、大豆のタンパク質は肉と同じくらいすばらしい内容に変化するのである。豆腐にカツオ節を 添えることで、豆腐に不足しているメチオニンがプラスされる。それによって、カツオ節のかかった豆腐は、植物性でありながら肉や魚に負けない、すばらしい 高タンパク質食品に昇格するのである。

人生90年時代を支える「大豆」

「人生90年時代」がやってきた。脳や心臓、血管、つまり、体力の若さを保つのは「食」なのだ。食べ物を機能的な側面から、評価する時代がやってくるだろ う。薬を飲む前に、まず「食」の機能性をよく見よう。その日本人の「人生90年時代」を支える食のひとつとして、今、脚光を浴びているのが「大豆」だ。大 豆に含まれている、多彩な成分は、日本のみならず、全世界的に注目を集めている。大豆の中でもとくに脚光を浴びているのが、「納豆」。近年の納豆に関する 効能の科学的解明には、著しいものがある。日本の伝統的な食品である「納豆」を、積極的に食べていこう。

調味料の使いすぎに注意しよう。

高血圧を呼び寄せる大きな原因は、ナトリウム(塩分)の過剰だ。カリウムは塩分の排泄を促し、血圧を安定させる働きがある。自然のままの食べ物は、一般的に低ナトリウム、高カリウムの食べ物がほとんどである。サツマイモや山芋、ヒジキ、バナナ、春菊、ジャガイモ、ホウレンソウ、トマト、枝豆などであるが、 料理する時に塩や醤油などの調味料を使用するため、ナトリウムのが増えやすくなってしまう。素材のうまみを生かし、調味料の使いすぎに注意しよう。