旬の季節:秋から冬(11~2月)収穫は8月から翌5月
スイレン科の多年草。原産は中国説が有力。日本では、神社仏閣の池や沼の観賞用として栽植されていましたが、『常陸風土記』(713年)に食用したと記されていますが、食用として栽培され出したのは16世紀以降といわれています。品種は在来種と中国種(支那種と備中種)があり、在来種は地下茎が深く生産量が低く、栽培は少ない。支那種は花が白色で地下茎が太く、肉質は厚くて歯切れがよく、備中種は花が桃色で地下茎が太く、肉質に優れ風味がよい。中国種はともに地下茎が浅い位置にあるので、掘りやすく、栽培量が多いです。
主にデンプンで糖質が15%。食物繊維の宝庫で、ビタミンCも豊富。ビタミンB12(増血ビタミンと呼ばれる)、鉄分、カリウム、亜鉛も含まれています。皮や節に多量のタンニンが含まれており、切ると出る細い糸はムチンです。
食物繊維は胃腸の働きを高めて便通をよくし、悪玉コレステロールの生成を押さえる働きがあり、ガンや成人病を予防します。タンニンは消炎・止血作用があります。ムチンは胃腸に働きタンパク質や脂肪の消化・吸収をよくし、肝臓にも働いて解毒を促進します。ビタミンC、鉄分、ビタミンB12の作用で、貧血や産後の増血に有効です。
切り口が変色しやすいので、切ったものから酢水にさらします。鉄鍋は使わず、酢を加えて茹でると白く、さらに歯切れもよくなります。
新聞紙に包んで通気性をよくして保存します。泥つきのまま保存すると日持ちします。
根菜で薬効 れんこんの梅肉あえ
ビタミンCと食物センイがたっぷりのれんこんを、梅肉であえます。梅干しはクエン酸などの有機酸が多く食欲増進、疲労回復に役立つと同時に、食物センイも豊富。便通を整え、大腸ガンの予防につながる一品です。
■<作り方>
①れんこんは半月の薄切りにし、酢水に放してアクを抜く。
②①のれんこんを酢を入れた熱湯でさっとゆで、ざるにあげて水気をきり、熱い内にみりんを少々振りかけておく。
③梅干しは種を取り、よくたたいてつぶし、みりん少々を加えてとろりとさせる。
④②を③であえる。器に盛り、白ゴマを振り、三つ葉をあしらう。